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【弁護士が解説】不動産の個人売買における注意点とは?

現在所有している不動産の個人売買を検討されている方がいらっしゃると思います。

不動産の売買に際しては、一般的なフリーマーケットやネットオークションなどとは違って、注意すべき点がいくつかあります。

これらを留意しておかなければ、のちに大きなトラブルに発展してしまう可能性があるため、不動産売買をお考えの方は当記事をお読みになっていただけると幸いです。

契約不適合責任と契約書

個人売買を行う際には、しっかりと契約書を作成しておかなければ、のちにトラブルに発展してしまう原因になります。

契約書については、インターネット上に様々な雛形があるため、自身の物件に適したものを選択し参考にするのは良いですが、個別具体的な事情等によって契約書の内容も変わってきますので、なるべく専門家の意見を聞くのがよいでしょう。

 

契約書の内容で特に注意しなければならないのが、契約不適合責任に関する事項です。

契約不適合責任とは、売買契約において売買の目的物に品質、種類、数量に瑕疵(かし)、すなわち欠陥があった場合に、買主が追完請求、代金減額請求、契約の解除、損害賠償請求を可能とするものです。

 

これらは民法に規定がありますが、契約書に特約を付することによって免責事項を付け加えることができます。

自身の売却する物件に特有の不具合があるか、不具合が発現する可能性があるような場合は、特約で契約不適合責任について免責事項を加えていくことを検討すべきです。

 

また、買主は品質と種類に関する契約不適合責任を追求できる期間に制限が設けられており、契約不適合を知ってから1年以内という制限になっています。

これは時効とは別の概念となっており、消滅時効自体は別途で進行しています。

 

消滅時効には、権利を行使できることを知ったときから5年と権利を行使できるときから10年という2つがあります。

前者については、期間制限によって排除されることとなりますが、後者の10年の消滅時効については進行し続けています。

 

そこで、売買が行われてから9年後のような長期間が経った後に契約不適合責任を問われると、当初から不動産に発生していた瑕疵なのか、売却後に買主によって発生させられた瑕疵なのかが不明瞭となってしまいます。

 

そのため、契約書内で特約によって、契約不適合責任を追及することができる期間を定めることができます。

売買代金の額、支払い時期、方法など

不動産売買は売買契約であるため、売買代金の額や支払い時期をしっかりと定めるのが当然のことになっています。

しかしながら、個人間での売買契約では、契約書の作成において支払い時期や方法などきちんと定めていなかったことによって、トラブルに発展するということもあります。

また、手付金についてもしっかりと定めておく必要があります。

 

手付金とは、売買契約の当事者が契約の内容通りの履行をするまでは、解除を留保し、買主が手付を放棄した上で、売主が手付金の倍額を買主に返還することで、契約を解除することができるという、解約手付に位置付けられるものです。

所有権移転の時期、登記、不動産の引き渡し、抵当権等の抹消

上記の内容は主に買主に関するものでした。

次は売主が売買契約において果たすべき義務に関する規定です。

代金を支払ったにもかかわらず、不動産の所有権移転登記をしてもらえない、引き渡しをしてもらえないといったようなトラブルは、非常に典型的なものです。

 

特に引き渡しや所有権移転の時期については、代金の支払いと同時期であるか、それとも支払いから数週間後であるか、などはしっかりと定めておきましょう。

 

また、不動産に抵当権や借地権、地上権などの第三者の権利が付着していないかについてもしっかりと定めておく必要があります。

売却後に抵当権が実行されて、買主が不動産の所有権を失ってしまったというトラブルも存在するので、第三者の権利についてもしっかりと契約書に記載をしておくべき事項です。

不動産の個人売買は中野・田中法律事務所にお任せください

不動産の個人売買については上記以外にも注意すべき点がまだまだあります。

今回ご紹介させていただいたものは、最低限注意しなければならないものです。

また、初めて不動産の個人売買をされるという方は、契約書の作成について不安な点が多いことと思います。

そこで契約書に不備がないかを弁護士に依頼しチェックしてもらうことも可能とです。

中野・田中法律事務所では、不動産に関するトラブルについてのご相談を承っております。

お困りの方は一度ご相談にお越しください。

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田中 涼Ryo Tanaka

私は大阪市を中心にインターネット被害、交通事故、不動産、債務整理、労働問題、離婚などの幅広い法律問題を承っています。

また、得意な英語を活かし海外に関する業務や外国人の方のサポートも行っております。

お困りの際は、一人で悩まずお気軽にご相談ください。

どうぞ、よろしくお願いいたします。

所属団体
  • 大阪弁護士会(登録番号 45477)
著書
  • 「弁護士の顔が見える 中小企業法律相談ガイド」
    大阪弁護士会協同組合企画編集
経歴
  • 昭和56年 出生(大阪府箕面市)
  • 平成12年3月 桃山学院高校卒業
  • 平成14年9月ポートランド州立大学に留学
  • 平成17年3月 早稲田大学人間科学部卒業
  • 平成20年3月 大宮法科大学院修了
  • 平成22年9月 司法試験合格
  • 平成22年11月 司法修習生(64期)
  • 平成23年12月 弁護士登録(大阪弁護士会)、坂東・田中法律事務所に就職
  • 平成25年9月 アパレルメーカーに転職(兵庫県弁護士会)
  • 平成27年1月 当事務所に復職

事務所概要

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