不動産売買に関するトラブル対策
土地や家屋といった不動産の売買は、法律上は日常品の売買と同じように売買契約にあたります。
しかし、不動産を売買することは日常では滅多にないことです。そこで、不動産売買時に生じるトラブルを見ておきましょう。
不動産売買の流れを分析的に示すと、①売主による不動産の情報の提示、②買主による不動産の売却決定、③不動産売買契約の締結(不動産売買契約書の作成)、④不動産の引き渡し(及び所有権移転登記)、⑤不動産の代金の支払い(大半はローンによる支払い)、ということになります。
このいずれの段階でもトラブルが生じる可能性はあります。
⑴移転登記をしないままの不動産の買収
一般的に、不動産の売買契約をするときにはその不動産の所有権の移転登記も行う必要があります。というのは、不動産の所有権は登記をしなければ第三者に対してその所有権の主張をすることができないからです(民法177条)。
ここから生じる不動産トラブルもあるわけで、最悪の場合せっかく手に入れた不動産を手放してしまうことになります。
このようなトラブルを回避するために売主が正確に所有権移転登記をしているかを確認しておくことが求められます。
⑵不動産の瑕疵による契約不適合責任
最初に述べたように、不動産の売買契約も一般的な売買契約の1つですので、当然民法上の売買契約の規定が適用されることになります。
このときに大事なのは売主が不動産についての重要事項を買主に伝えていなかったりすることです。売主が買主に対して不動産の重要事項を説明していなかったり、あるいは欠陥があることを告げなかった場合、買主は売主に対して追完請求(民法562条)・代金減額請求(同法563条)・損害賠償請求及び契約の解除権の行使(同法564条)を行えるとされています。
ただ、このように売主の責任により修補・代金減額・損害賠償請求などができるからといって不動産売買時に注意を怠ってはいけません。
不動産トラブルに陥らないためにも不動産の売主から告げられる重要事項説明(ならびに重要事項説明書)を確認しておきましょう。
この重要事項説明書は、示さなければ売主が罰則(宅地建物取引業法47条参照)を課されることになるほどの重要性を有しているものであります。
重要事項説明書とは、いわば買主が実際に不動産を購入した際に抱くかもしれないミスマッチ(「そんなこと聞いてないぞ!」から始まる紛争)を防ぐための双方にとっての予防策ということになります。この重要事項説明書も入念に目を通しておくことが必要になります。
購入しようとしている物件が事故物件(とりわけ近年話題になっているアスベストなど)かどうかを確認しておくのも重要です。
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田中 涼Ryo Tanaka
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- 所属団体
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- 大阪弁護士会(登録番号 45477)
- 著書
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- 「弁護士の顔が見える 中小企業法律相談ガイド」
大阪弁護士会協同組合企画編集
- 「弁護士の顔が見える 中小企業法律相談ガイド」
- 経歴
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- 昭和56年 出生(大阪府箕面市)
- 平成12年3月 桃山学院高校卒業
- 平成14年9月ポートランド州立大学に留学
- 平成17年3月 早稲田大学人間科学部卒業
- 平成20年3月 大宮法科大学院修了
- 平成22年9月 司法試験合格
- 平成22年11月 司法修習生(64期)
- 平成23年12月 弁護士登録(大阪弁護士会)、坂東・田中法律事務所に就職
- 平成25年9月 アパレルメーカーに転職(兵庫県弁護士会)
- 平成27年1月 当事務所に復職
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