「痛みとしびれが残っているのに、後遺障害は非該当でした。異議申立てをすれば、結果を見直してもらえるのでしょうか?」
先日、このような趣旨のご相談をいただきました。
結論からいうと、認定理由に対応する資料を追加できる場合は、異議申立てを検討できます。最初に、結果通知と申請時に提出した資料を照合してください。
ただし、同じ説明や資料を繰り返し提出しても、結果が変わるとは限りません。非該当または等級の理由、症状ごとの医学的資料、仕事や生活への具体的な支障によって準備が変わります。
このページでは、認定理由の読み方、追加資料の考え方、異議申立書のまとめ方、ほかの手続を選ぶ場面について解説します。
「非該当」の理由を、症状ごとに読み分ける
同じ非該当でも、事故との関係が認められなかったのか、将来も残る症状と判断されなかったのか、検査や診療記録から裏付けられなかったのかで、検討する資料が違います。通知の文言を読んでも分からなければ、理解できない箇所に印を付けるだけで構いません。
複数の症状がある場合は、首の痛み、手のしびれ、動かしにくさなどに分け、通知がどの症状について判断しているかを見ます。申し立てたい症状が、最初の申請資料に十分記載されていたかも確認します。
新しく出す資料は、認定理由に対応させる
診断書をもう一枚もらえば結果が変わる、というものではありません。これまでの診療録、画像、検査結果、後遺障害診断書を並べ、何が不足しているのかを考えます。
- 受診の経過:症状がいつからあり、診察でどう伝えていたか。
- 医学的な資料:検査所見と症状の関係、治療経過についての医師の説明。
- 生活や仕事の記録:どの動作が難しく、事故前と何が変わったか。
追加の検査が必要かどうかは医師に相談します。希望する等級に合わせて診断を書いてもらうのではなく、症状や支障が正確に伝わっているかを確認してください。生活のメモは説明の助けになりますが、それだけで医学的な資料の代わりになるわけではありません。
異議申立書は「何が違うか」を具体的に書く
たとえば「事故前はできた作業が今はできない」という訴えなら、作業内容、頻度、どの症状で中断するか、勤務先がどのような配慮をしているかを書きます。そのうえで、対応する診断書や記録を示します。
長い文章にすること自体が目的ではありません。認定理由のどの部分について、どの資料から別の評価を求めるのかが分かる形にします。以前出した資料と同じものだけを送る前に、見落としや新たな裏付けがあるかを確認しましょう。
異議申立て以外の方法も、争点に合わせて選ぶ
保険会社を通じた異議申立てのほか、自賠責保険・共済紛争処理機構への申請や、訴訟で損害を争う方法があります。機構の対象や申請条件を確認し、現在の資料で何を判断してもらいたいかを整理します。
訴訟は、自賠責の等級を付け直すだけの手続ではなく、相手に請求する損害賠償を裁判所に判断してもらうものです。「同じ申立てを何度も続ける」「すぐ裁判にする」と決める前に、追加資料の見込みと争う範囲を比べます。
結果通知と、いま困っていることを持って相談する
申請に何を提出したか分からないときは、保険会社へ提出資料の内容を確認することから始めます。入手できた資料は原本を保管し、相談用に写しを用意すると便利です。結果が届いた日や事故日も伝え、請求の期限を含めて次の段取りを確認しましょう。
等級の見直しは、後遺障害の慰謝料だけでなく、仕事への影響をどう評価するかにも関わります。まだ示談していない場合は、結果への疑問があることを伝え、事故全体の合意を急がないようにしましょう。
通知、後遺障害診断書、通院先の一覧があれば確認を進めやすくなります。全部そろっていなくても、「どの結果が届いたか」「どんな動作で困るか」から相談できます。金額の合意に進む前の確認は、示談交渉の記事も参考にしてください。
まとめ
後遺障害の結果に納得できないときは、まず結果通知を保管し、認められなかった理由を症状ごとに確認してください。
次に、診療録、画像、検査結果、後遺障害診断書を並べ、認定理由に対応する資料があるかを確かめましょう。
異議申立書は長さではなく、どの判断に対して、どの資料から別の評価を求めるのかが伝わることが大切です。
示談前に、結果通知と現在の支障をお持ちください。異議申立てを含む次の進め方を一緒に整理しましょう。
