「SNSでチケット代を送った直後にブロックされました。公演が迫っていますが、返金してもらえますか?」
先日、このような趣旨のご相談をいただきました。
結論からいうと、追加送金を止め、取引と支払いの記録を保存して、決済サービスと警察へ早めに相談してください。
返金できるかは支払方法、相手を特定できるか、資金が残っているかで変わります。相手から返事が来るのを待ち続けると、利用できる手続の期限を過ぎることもあります。
このページでは、取引内容の確認、証拠保存、支払方法別の連絡、警察相談、返金請求の考え方を説明します。
譲渡の約束と、実際に受け取ったものを確認する
公演名、開催日、枚数、座席、金額、受渡し方法、期限を、募集投稿とDMで照合します。電子チケットなら、画像が送られてきただけなのか、正規の分配が完了しているのかを分けてください。
QRコードの画像や購入画面は、本物で利用できることの保証にはなりません。本人確認や譲渡条件について、主催者や正規販売サービスの案内も確認しましょう。第三者から買ったチケットでは入場できない場合があり、主催者が個人間取引の代金を補償するとは限りません。
相手が送った身分証の写真も、その人自身のものかは分かりません。画像の人物へ公開で返金を迫るなど、別人を巻き込む行動は避けてください。
アカウントと送金記録を、別々に保存する
募集投稿のURL、プロフィール、ユーザー名、DMの全体、送られたチケット画像を残します。アカウントが変更・削除されても経緯が分かるよう、画面には日時やURLが分かる情報を含めましょう。
決済側では、送金日時、金額、相手の表示、取引番号、振込先口座を保存します。SNSの名前と口座名義が違う場合は、違いをそのまま記録してください。「同じ人物だろう」という推測と、確認済みの情報を混ぜないことが大切です。
「返金した」と言われた場合も、送金画像だけでなく自分の口座やアプリへの着金を確認します。返金処理のためとして、もう一度送金する操作を求められても応じないでください。
決済サービスへの連絡と警察相談を並行する
金融機関や決済サービスには、取引の特定に必要な記録を示し、被害としてどの手続が取れるか確認します。個人間の送金は、商品購入時の補償と同じ扱いでないことがあります。サービスの案内を確認し、受付番号や回答を保管しましょう。
警察には、約束したチケット、支払額、連絡が途絶えた時期を伝えます。被害届を出せば直ちにお金が返るわけではありませんが、犯罪被害の申告と、民事の返金請求を分けて進める必要があります。消費者ホットライン188では、状況に応じた相談先の案内を受けられます。
返金請求では、本当の請求先を確認する
相手が分かっている場合は、受渡しの約束と支払記録に基づき、返金を求める方法を検討します。匿名のSNSアカウントしか分からない場合は、相手を特定する手段と負担が問題になります。
ネット上の誹謗中傷で使う発信者情報開示の制度を、個人間DMでの売買代金トラブルにそのまま使えるとは限りません。公開投稿の内容、決済情報、取引先の情報から、どの調査方法が取れるかを確認します。
少額の被害では、裁判や調査の負担が請求額に見合うかも大切です。回収を保証する勧誘に乗らず、まず今ある資料で請求先を把握できるかを相談しましょう。
公演日が近いときも、追加の支払いで解決しようとしない
楽しみにしていた公演ほど、「今払えば間に合う」という要求に応じたくなります。しかし、名義変更料、保証金、返金手数料など、約束になかった支払いを重ねないでください。新しいチケットを買う場合も、公式販売や公式リセールを確認します。
相談には、取引の画面と支払記録、公演日をお伝えください。相手が分かるか、返金請求に進めるか、決済サービスで先に取る手続があるかを整理します。ほかのSNS上の送金トラブルはSNS詐欺への対応でも説明しています。
まとめ
まず、追加の手数料を払わず、募集投稿、DM、チケット画像、支払記録を保存してください。
銀行振込なら振込先金融機関、コード決済なら公式窓口へ連絡し、警察にも取引の経緯を伝えます。
公演日が近くても、返金のための再送金には応じないでください。今ある資料から請求先と優先する手続を一緒に整理しましょう。
