「返済日のたびに別のカードで借りています。毎月払っているのに残高が減らず、このまま返し続けられるか不安です」
先日、このような趣旨のご相談をいただきました。
結論からいうと、返済のための借入れが続いているなら、借金の総額だけでなく、毎月の収入・生活費・返済額を並べて債務整理を検討するタイミングです。
ただし、返済条件を変えれば払えるのか、元金の減額が必要か、返済自体が難しいかによって選ぶ方法は変わります。家、保証人、裁判所から届いた書類の有無も先に確認します。
このページでは、返済可能額の見方、任意整理・個人再生・自己破産の違い、方法を選ぶ前に伝える事情、相談に必要な資料を解説します。
毎月いくらなら返済を続けられる?
同じ借金額でも、家賃や家族の生活費、収入によって返せる金額は違います。最初に見たいのは、手取り収入から生活に必要なお金を引いたとき、返済に回せるお金がどれだけ残るかです。
たとえば、手取りが月25万円、生活費が20万円、返済が8万円なら、毎月3万円不足します。これは説明のための家計例ですが、この不足を借入れで埋め続けても、返済の負担は解消しません。利息や返済期間の見直しで収支が合うのか、借金の元金も見直す必要があるのかを分けて考えます。
- 生活費を払うと返済のお金が残らない:節約だけで続けられる返済計画になっているかを見直す。
- 返済のための借入れが増えている:月々の支払いだけでなく、借入残高の増え方も確認する。
- ボーナスや残業代がないと払えない:毎月確実に入る収入を基準に、返済を続けられるか考える。
自分に合う債務整理は、どう選ぶ?
返済条件を変えれば払えそうなら、任意整理を検討
任意整理では、裁判所を通さず、借入先と利息や分割払いなどの条件を交渉します。確認したいのは、交渉後の月額を無理なく払い続けられるか。借入先との合意が必要なため、「毎月払える金額」と「相手が応じる返済条件」の両方を確かめます。
元金を減らさないと返せないが、収入はあるなら個人再生を検討
個人再生は、裁判所に認められた返済計画に従って支払い、残りの債務の免除を受ける手続きです。継続した収入の見込みが必要で、借金額だけでなく、預貯金などの財産も返済額に関わります。家を残したい場合は、住宅ローンの扱いも合わせて確認します。
返済を続ける見通しが立たないなら、自己破産を検討
生活に必要な支出を確保すると返済が難しい場合は、自己破産も選択肢です。財産の扱いと、借金の支払責任を免除する「免責」を確認します。税金や養育費などは免責の対象外なので、借入れと分けて把握します。
手続きと免責の違いは、自己破産の手続きについての解説で確認できます。
このほか、簡易裁判所で返済条件を話し合う特定調停という方法もあります。制度名だけで決めるより、支払いを続ける見通しと、残したい財産を一緒に確認することが大切です。
家や保証人がいる場合は、何を確認する?
「月々の返済さえ減ればよい」とは限りません。家を残したい、保証人への影響が心配、家族にどう話せばよいか分からない。こうした希望や不安も、手続きを選ぶための大事な情報です。
- 住宅ローンがある:残高、毎月の支払額、滞納の有無を確認する。
- 保証人がいる:どの借入れに誰が保証しているかを確認する。
- 車や保険がある:名義やローン残高、保険の解約返戻金が分かる資料を確認する。
「家族に知られないこと」を前提に手続きを決めず、どんな連絡や書類が必要になるかも相談時に確かめましょう。
督促状や裁判所の書類が届いたら、どうする?
家計の一覧を完成させるまで、連絡を待つ必要はありません。督促状や裁判所からの書類がある場合は、送付元、届いた日、記載された期限を伝えてください。封筒も含めて保管しておくと、対応の順番を確認しやすくなります。
相談前に何を用意する?
- どこから、いくら借りているか:分かる範囲の借入先と残高。
- 毎月いくら払っているか:カード、ローンなどの返済額。
- いま一番困っていること:今月の支払い、督促、家や保証人への影響など。
「任意整理か自己破産か」を自分で決めてから相談する必要はありません。金額が正確に分からなければ、手元の明細や請求書をもとに確認できます。
まとめ
まず、毎月確実に入る収入から生活費を引き、返済に回せる金額を確認してください。
返済条件を変えれば払えるのか、元金を減らす必要があるのか、返済を続けること自体が難しいのかで、検討する方法は変わります。
督促状や裁判所の書類がある場合は、期限を確認して封筒ごと保管しましょう。家や保証人への影響が心配なら、その事情も最初に伝えてください。
方法を自分で決める前に、生活を続けられる返済額と守りたいものを一緒に整理しましょう。
