「昔、消費者金融やカードのキャッシングを長く利用していました。契約書がなくても、過払い金があるか調べられますか」
先日、このような趣旨のご相談をいただきました。
結論からいうと、契約書が残っていなくても、借入先と利用した時期が分かれば調査の手がかりになります。取引履歴を取り寄せ、当時の金利と借入れ・返済を計算し直して確認します。
ただし、2010年以前の利用があるだけで過払い金があるとは限りません。完済済みか返済中か、取引の中断や時効があるかによって確認する点が変わります。
このページでは、過払い金が生じる可能性がある取引、完済後と返済中の違い、時効、調査方法、相談前に思い出しておくことを解説します。
どんな借入れなら、過払い金を確認する?
確認したいのは、特に2010年6月の法改正より前から続く借入れです。当時は法律上の上限を超える金利で貸し付けていた業者がありました。ただし、同じ時期でも金利は業者や契約によって違うため、「2010年以前に借りた」というだけで返金額が決まるわけではありません。
- 消費者金融を利用していた:当時の会社名、借り始めた時期、最後に返した時期を確認します。
- クレジットカードで現金を借りていた:買い物代金とキャッシングを分けて確認します。
- 返済と借入れを繰り返していた:途中で残高がゼロになった時期や、契約を解約したことがあるかも手がかりになります。
カード明細では、まず「どの会社の、何の利用分か」を見てください。毎月の請求額だけでは、借りたお金と買い物代金の内訳が分からないことがあります。
完済済みと返済中では、何が違う?
すでに返し終わっている場合
払い過ぎがないかに加え、請求できる期限が残っているかを確認します。完済日が分からなければ、通帳の引き落としや最後の明細を探してみましょう。昔の会社名が変わっていても、旧社名が分かれば調査の手がかりになります。
いまも返済している場合
法律の上限金利で計算し直すと、残高が減ることも、返し過ぎになっていることもあります。一方、計算後も借金が残るなら、その残高をどう返すかまで考える必要があります。
今月の支払いが苦しいときは、過払い金が戻ることを前提に家計を組まず、現在の返済額も一緒に伝えてください。ほかの借入れも含めた見直し方は、返済が苦しいときの選択肢で紹介しています。
過払い金は、いつまで請求できる?
過払い金を請求する権利には時効があります。2020年4月施行の改正民法に基づく説明では、請求できると知った時から5年、または取引終了時から10年が基準になります。古い取引には改正前のルールが関わるため、契約や取引が終わった時期を照合します。
特に、一度完済してからまた借りた、長く使わなかった期間がある、途中で契約を切り替えた場合は、どこを取引の区切りと見るかが問題になります。最後の支払日だけで判断せず、おおよその利用経過を伝えてください。
過払い金は、どうやって調べる?
取引履歴は、いつ、いくら借りて返したかを記録した資料です。手元に明細がそろっていない場合も、借入先に履歴の開示を求める方法があります。そこから法律の上限金利で計算し直し、返還を求められる金額を調べます。
返還請求を進めるときは、計算上の金額だけでなく、相手の提示額、支払時期、合意書の内容を確認します。返金額に納得できないまま、「これで解決する」という書類に署名する必要はありません。提示された書類をもとに、交渉を続けるか、裁判で請求するかを検討できます。
相談前に何を思い出す?
「返済が終わった年を覚えていない」「カードも契約書も捨てた」という段階でも、覚えている会社名や当時の生活状況から話を始められます。現在も返済中なら、そのことを最初に伝えてください。
まとめ
まず、借りていた会社名、利用していた時期、完済したかどうかを思い出せる範囲で書き出してください。
過払い金の有無は、借りていた年数だけでは決まりません。取引履歴を取り寄せ、当時の金利と借入れ・返済を計算し直して確認します。
完済から時間がたっている場合や、途中で取引が途切れている場合は、時効の判断を後回しにしないでください。返済中なら、現在の支払いへの対応も分けて考えます。
契約書がなくても諦めず、覚えている会社名と時期から一緒に整理しましょう。
