「仲介会社から聞いていた条件と契約書の内容が違い、見積りになかった費用も請求されました。契約後でも説明や返金を求められますか」
先日、このような趣旨のご相談をいただきました。
結論からいうと、広告、重要事項説明書、契約書、担当者とのやり取りを照合し、どの説明や費用に問題があるのかを特定して回答を求めます。
ただし、売主や貸主との契約上の問題と、仲介会社の説明・調査・手数料の問題では、請求する相手と根拠が異なります。
このページでは、説明と書面の残し方、追加費用の確認、相手ごとの請求、話が進まないときの対応を解説します。
何を説明され、何を前提に契約したかを残す
広告の画面、物件資料、重要事項説明書、契約書、担当者とのメールを並べます。「説明不足だった」というだけでなく、駐車場が使える、希望の用途で営業できる、追加工事が不要など、契約を決めるうえで重要だった説明を具体的にしてください。
重要事項説明書に記載があっても、その内容と口頭説明が食い違っている場合があります。署名済みだから何も言えないと決めず、いつ誰がどう説明したかを記録します。一方、希望を伝えていなかった事項まで、仲介会社がすべて把握していたとは限りません。こちらから伝えた用途や条件も確認します。
追加費用は名前ではなく、何の対価かを確認する
「事務手数料」「コンサルタント料」「サポート料」と記載されていても、項目名だけで適否は決まりません。具体的な作業、申込みの有無、必須なのか任意なのか、誰へ支払う費用なのかについて、書面で説明を求めましょう。
仲介手数料には法令上の上限がありますが、売買か賃貸か、物件価格や取引内容によって計算が異なり、低廉な物件には特例もあります。インターネットで見つけた一つの計算式だけを当てはめず、見積りと媒介契約をもとに確認してください。
すでに払った場合は、請求書と領収書、振込記録を保管します。「返金してほしい」と伝える際にも、どの項目を、どの理由で争うかを分けた方が回答を得やすくなります。
売主への請求と仲介会社への請求を混ぜない
購入後に雨漏りが見つかった場合、物件が売買契約に合っていない問題は、まず売主との関係で検討します。仲介会社については、知っていた事実を説明しなかった、必要な確認を怠ったなど、仲介業務としての責任があるかが問題になります。
仲介会社に落ち度があるとしても、希望する損害額がそのまま請求できるとは限りません。適切な説明があれば契約しなかったのか、どの出費がその説明と結び付くのかを確かめます。物件自体の不具合への対応は、購入した不動産のトラブルで詳しく紹介しています。
担当者と話が進まなければ、回答を求める事項を絞る
電話を繰り返すより、事実経過と確認したい点をメールなどで送る方法があります。「この費用の契約上の根拠」「契約前の説明との違い」「会社としての対応案」を分け、回答を求めます。感情的な投稿を公開する前に、資料と交渉記録を確保してください。
宅建業法上の問題については、免許行政庁などへの相談も考えられます。ただし、行政への相談が、そのまま損害賠償金の回収になるわけではありません。返金や賠償を求める交渉と、行政上の確認を分ける必要があります。
署名前・追加送金前なら、疑問を残したまま進めない
まだ契約前なら、分からない条項や費用について説明を求め、その回答を残してください。決済や引越しの予定が迫っている場合も、その日付を相談時にお伝えください。
契約済みの方は、契約書類一式と問題のやり取りをもとに、「説明を求めたい」「追加請求を止めたい」「支払ったお金を取り戻したい」という希望から相談できます。どの相手に何を求めるかを整理します。
まとめ
まず広告、物件資料、重要事項説明書、契約書、見積り、担当者とのメールを一か所にそろえてください。
説明と違う点や追加費用は、名称だけで判断せず、何を前提に契約したか、何の対価を請求されているかを具体的にします。
売主・貸主に求めることと、仲介会社に求めることを分け、質問事項を絞って書面で回答を求めましょう。
署名や追加送金をする前でも、契約後でも、どの相手に何を伝えるべきか一緒に整理しましょう。
