「収入が少しあると自己破産はできませんか。ギャンブルの借金や過去の破産もあるので、相談しても無理だと思っています」
先日、このような趣旨のご相談をいただきました。
結論からいうと、収入があることや借金の理由だけで、自己破産できないと決まるわけではありません。返済できない状態かという判断と、支払責任を免除する「免責」の判断を分けて確認します。
ただし、借金の経緯、財産の処分、過去の免責からの期間、税金や養育費など支払いが残る債務によって、必要な説明と手続が変わります。
このページでは、返済不能の見方、ギャンブルや浪費がある場合、過去に破産した場合、免責されない支払い、ほかの債務整理との比較を解説します。
収入があっても自己破産できる?
破産手続の開始では、収入や財産から借金を返せるかが問題になります。借金が何万円以上、年収の何倍以上という単純な線引きではありません。
給与があっても、家賃や生活費を払うと返済に回せるお金がなく、借入れで埋める状態が続いているなら、その家計と借金の全体を見ます。逆に、一時的に入金が遅れているだけで、十分な資産や返済の見通しがある場合は、その点も判断材料になります。
- 収入:手取り額、今後の見込み、病気や退職による変化。
- 支出:家賃、食費、医療費、扶養している家族の費用。
- 借金と財産:借入先、残高、毎月の返済、預貯金や保険など。
督促状や裁判所の書類が来ている場合は、その期限も先に確認します。家計表を完璧に作るまで、相談を待つ必要はありません。
ギャンブルや浪費の借金でも相談できる?
浪費や賭博などで著しく財産を減らしたり、過大な借金をしたりすることは、免責を認めない理由になり得ます。ただし、その理由があれば必ず免責されないというわけではなく、裁判所が経緯などを考慮して免責を許可する場合もあります。
何にいくら使ったか、借入れが増えた時期、現在も同じ支出が続いているかを整理します。利用明細や通帳を隠すより、分からない箇所も含めて説明できるようにしておくことが大切です。
「生活費と言えばよい」と理由を変えたり、財産を家族名義へ移したりすると、別の問題を生みます。言いづらい事情こそ、そのまま伝えてください。
以前に破産していても、もう一度申し立てられる?
過去の免責からの期間などが、今回の免責判断に関わります。単に「前に申立てをした年」ではなく、前回どんな手続があり、いつ免責の決定が確定したかを確認します。
前回の決定書が見つからない場合も、おおよその時期と裁判所、相談した専門家が分かれば手がかりになります。今回また返済が難しくなった原因や、その間の収入・生活の変化も整理します。「2回目だから絶対に無理」と自分だけで判断せず、前回と今回の事情を区別して確認しましょう。
自己破産しても支払いが残るものは?
税金や養育費など、免責を受けても支払いが残るものがあります。これらの滞納が主な悩みなら、破産だけで支払いの問題が解消するとはいえません。税金なら担当窓口への納付相談など、残る負担への対応を別に考えます。
一方、カードやローンの借金もあるなら、それを整理することで家計を立て直せるかを検討します。「税金があるから自己破産は使えない」と一括りにせず、借入れと、免責後も残る支払いを分けることが大切です。
家や仕事が心配なとき、ほかの方法はある?
自己破産の条件を満たすかと、その方法を選ぶかは別の判断です。家や仕事への影響が気になる場合は、自己破産後の生活への影響を具体的に確認します。
返済額を見直せば払い続けられるなら任意整理、継続的な収入があり減額後の返済を続けられるなら個人再生も比較します。どの方法でも、手続名より、その後の生活費と返済が両立するかを見ます。
相談では「何を理由に自己破産できないと思っているか」を教えてください。借金の原因、過去の手続、残したい財産など、気になっている点から確認できます。
まとめ
まず、手取り収入、生活費、借入先と残高、預貯金や保険などの財産を分かる範囲で書き出してください。
収入やギャンブルの借金があるだけで、自己破産できないと決めつける必要はありません。借金が増えた経緯や過去の手続を隠さず確認します。
税金や養育費など、免責後も支払いが残るものは別に整理しましょう。家や仕事への影響が心配なら、個人再生や任意整理との比較も必要です。
できないと思っている理由を手がかりに、どの方法なら生活を立て直せるか一緒に整理しましょう。
